[書評/感想]「うちの子は育てにくい子~発達障害の息子と私が学んだ大切なこと~」(アマミモヨリ著)

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我が子が自閉症かも、と思ったとき、多くの親は参考になりそうな情報を求めて、深い深い森の中へと足を踏み入れます。

まさに私もそんな一人。基本的には公的な機関が発表している情報を元に、この項目はあてはまるから自閉症かもしれない、いや、でもこれはあてはまらないから自閉症じゃないかもしれない。不安で仕方なくなって、今度は実際に自閉症の子を育てている方が書いている子育てブログをいくつか目を通すようになりました。

そこで出会ったのが、ブロガーであるアマミモヨリさんのうちの子は育てにくい子~発達障害の息子と私が学んだ大切なこと~です。本書は、ブログを元にわかりやすく自閉症スペクトラムである一人息子のヒルマくんを育てるために彼女なりに考えた暮らしの工夫や、親の習慣を、可愛いイラストとともにまとめた一冊です。3部構成になっていて、Part.1は「うちの子は育てにくい子」。産まれてから発達障害と診断されるまで、療育園、小学校に入学するまでの6年間のことが綴られています。

アレ?おかしいな?普通の子とちょっと違うな?と後から考えれば気づくような出来事が具体的に描かれているのですが、たとえば生後4ヶ月で育児教室にいったときに、ヒルマくん(息子さん)だけがぐずってしまったこと、生後7ヶ月で呼びかけてもふりむかない、初語が「しんかんせん」、そして自閉症の子の特徴ともいわれる「クレーン現象」のことなど、自分の子はどうかな、とつい振り返ってドキドキしてしまいました。

そして要経過観察になって、発達検査、療育へと進んでいきます。

Part.2では、「親の習慣」、Part.2では「暮らしの工夫」がそれぞれたくさん紹介されています。

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これらはすべて、ヒルマくんが暮らしやすいように、困らないように、とアマミさんが療育での先生からの指導などを受けつつ、いろいろと改善したこと。

「はしっちゃダメ」と言うより、「あるきます。はしりません。」と丁寧にゆっくり話すことで落ち着いて聞き入れてくれるようになったり、「少しだけ食べて」「あとで食べたら」だと混乱して「少しってどのぐらい?」「あとでっていつ?」と困ってしまうヒルマくんのために、最初からとりわけたり、具体的な数字を教えてあげることで、お互い過ごしやすくなるのだなぁと感心しました。

他にも、見やすい時間割の工夫など、発達障害でなくても、小さい子が自分でできるようになるために、親がちょっと小人のように手助けしてあげることで、子どもはぐっと自信もつくし、親も怒らなくてすむので、参考にしてみようと思えました。

イラストも可愛くて、本当に読みやすいので、自閉症の子との暮らしがとてもリアルに想像できて、不安でこれからどうすればいいのだろう、と悩んでいる人にとっても、あれ、そんなに心配にならなくてもいいのかもしれない、と思わせてくれる良書でした。

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